早朝のうめき声
久々に長期旅行の話をします。
ホントは行ったすぐ後に書くのがネタの鮮度としては良いんでしょ
ということで、今回書くのは6月4日の出来事。
長期旅行の途中だった僕は、
その日、
こんなに力を込めてるのに、的まで届かない。
届かせようと思って山なりに投げたら、天井のネットにあたる。
軽く投げて余裕で的を射抜く方々は、
「軸足に体重をかけて…投げるときに逆の腕をまわして…
等々のアドバイスを適所で入れてくる友人のK投手コーチ。
現地ではその全容は把握しきれなかったので、
部屋の中で解説者のフォームを真似している内に、
「今から公園行ってキャッチボールしようぜ」
と誘い、
いい歳した男3人が薄暗い公園でキャッキャウフフする様は、
(一応大きな音は立てないように配慮はしました)
フォーム指導を受けつつ、
テンションが上がったせいか距離がどんどん離
…どこからか、かすかにうめき声のような音が聞こえました。
その場にいた全員が動きを止め、お互いに怪訝な顔をします。
早朝の公園…周囲はようやく小鳥が鳴き始めたくらいで、
「え…なに今の…」Kは萎縮します。
それぞれが恐る恐るあちこち見渡していると
「あ!あそこに誰かおるで!」とYが公園の外を指さしました。
示す方向を見ると、赤い服を着た女性がうずくまっています。
こんな時間にあんな格好で、一体何があったんだろう…。
様子を見ながら「声かける?」「やだよ」
「後、つけようよ」と僕は2人に提案すると、「
「別の通りを走って、真正面に回り込むわ」
彼の背中を見送った後、僕はこう考えました。
「Yは真正面から女性を追う」
「僕たちは後ろから女性を追う」つまり
ハサミ討ちの形になるな…と
早速カメラを起動し、
そこに女性の姿はありませんでした。
念のため、僕たちは路地の先まで歩いてみることにしました。
「おった?」息を荒げてYは僕たちに尋ねます。
「全然」僕たちは首を横に振る。
「俺一応、あっちの公園(500mくらい先)
赤い服。あんなに目立つ格好をした女性を、
路地は数100メートルは余裕で見通せるそこそこ広い道。
にもかかわらず、
その後もしばらく周りの路地を手当たり次第探してみましたが、
結局諦め、
帰り道、3人で女性の正体を推理しました。
情報を整理すると
・女性がうずくまっていた時の体は、駅の方向を向いていた
・しかし、女性は駅と逆方向の住宅街へ歩き出した
・早朝
・大型のキャリーケース
・うめき声(泣き声?)
これらの要素から我々が導き出した答えは
深夜に大喧嘩したカップルがいて、女性が「もう出ていく!」
しかし、あくまで想像の域を出ませんし、
いやぁ、早朝の公園って奇妙なことが起こりますねぇ………。