怪奇!横入りジジイ!!
仕事帰り、改札を通ろうとしたら残高不足で弾かれた。
そもそも定期の更新もしていなかったことを思い出し、切符売り場まで戻る。
定期更新用の券売機に行くと先に女性が使用していて、自分はその真後ろで待機していた。
程なくして女性が離れたので、券売機の前に移動してパスケースから定期を取り出そうとしていたその時である。
怪しげなジジイが自分の右横30cmの距離にいた。
財布から諭吉を2枚取り出し、俺より先に券売機を使おうとしている。
そうはさせるかと体を右に寄せて、「今この機械を使う権利があるのは自分」アピール。
ケチくさいと思われるかもしれんが、券売機の前には確かに女性しかいなかった。自分はその後ろでちゃんと待っていた。
一方ジジイは完全に意識の外、異次元空間から突如出現したのである。バイラムかよ。
とにかく譲る気は全くなかった。
定期を機械に入れて、読み込んでいる間にもジジイは30cmをキープしている。
内心「ちょっと離れて欲しい」と思うくらいの不快な距離感。
パーソナルスペースの不可侵領域を平気で侵す異次元ジジイ。
ジェットイカロスがバードニックセイバーで焼き払ってくんねぇかな。
とか思いつつ画面を操作していると、『先に定期を入れても更新は出来ない』という仕様であることを初めて知る。
操作を最初からやり直す必要があるので、機械から定期を取り出す。
横目でジジイを見ると、なにやら小刻みに震えている。イラついているようだ。
しかしこちらも真横からプレッシャーをかけられ続けて不快感は募るばかり。さすがに耐えかねた僕はつけていたイヤホンを外し、「もう少し離れてくれませんか」と言おうとした。
その瞬間である。
「あのさぁ、早くしてくんないかなぁ?」
あからさまにイライラしている表情、声のトーンで万札ピラピラさせてセリフを先取りされた。
これにはさすがの僕もカチンときて、「はぁ?横入りしてんのはそっちだろ?大人しく後ろで待っとけや」と言っちゃった。
そうするとなにやらブツブツ言いながら他の券売機の方に並びに行った。
定期関連の目的じゃねーの!?
定期に関する操作は僕が使っている機械でしか出来ないので、そこに並ぶしかない。
ジジイもそれ目的なんだと思ったらあっさり通常の券売機に移動だと?
だったら最初からそっちに並んどけば良いやんけ。
俺の真横30cmをキープし続けていた理由が1mmもわかりません。
その後定期を更新して電車のホームに辿り着いた僕は、次の電車の時間を確認すると、上りも下りも5分以上待ち時間がありました。
終電が近い時間帯でも無かったし、ジジイは何をそんなに焦っていたのでしょう。
…まあ老い先短いと少しの時間さえも無駄にしたくないと言うことですかね。
自分はおじゃる丸の様に急がず焦らずな余生を送りたいですね。