何でもいいから、500円くれよ!!

日記・好きな事の考察や感想・オリジナル小説等を書いていきます。

チップチューンの可能性は無限なり。

『ゆるちゅーんらうんじ2』というライブイベントに参加してきました。

twitter.com


会場は新宿区早稲田にある音楽喫茶『茶箱』

sabaco.jp



公式ツイッターのプロフによれば一度きりのゆるいチップチューンイベント”の二回目(一度きりって言った直後に二回目ってところがまさにゆるい(笑))だそうで、一回目は2016年に開催された模様。一度きりの予定が、好評だったため復活したんですね。なんとも素敵なお話ではありませんか。

このイベントで扱う音楽の唯一のルールはチップチューンいわゆるファミコンゲームボーイなんかのピコピコとした音源を取り入れる事。それ以外はギターを弾こうが歌を唄おうが何をやってもOKという自由さに溢れたカオスなライブ。

僕はこれまでチップチューンというのは全てピコピコした音源でなくてはならない』という固定概念があったので、良い意味で今回のイベントでそれがぶち壊されましたね。

そもそもなぜ僕がこのイベントに参加したかというと、学生時代の先輩が出演者として参加していると言うことを開催当日の午前3時くらいに知りちょうど大阪に帰ったときにお声かけしたいなと思っていたので「こっちで会えるならその方がええやん」と先輩には参加することを一切告知せず帽子を目深にかぶって開場後ぞろぞろ入店する客達のしんがりらこっそり会場入りしました。

 

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本日のラインナップ


ライブが出来る喫茶店らしく地下に作られた会場の雰囲気はまさにアンダーグラウンド
の照明が妖しく入れ替わりムーディな雰囲気を演出。12畳ほどの広さに不釣り合いなほど大きなスピーカーが、既に内蔵に刺さるビートを刻んでいました。

出演者、客、運営スタッフ会わせて20人前後ほどでしたが少々手狭に感じました。
先輩がトップバッターを務めており、既に本番が始まっていました(もったいない)

 

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ご機嫌にプレイする先輩


何食わぬ顔で先輩のライブを眺めます。先輩はチップチューンサウンド大好きマンなんで、学生時代にも聞いた『これぞチップチューンというような正統派ピコピコ音楽を奏でていきます。思えばコレをメインで聞いていたから前述のチップチューンとはかくあるべし』という概念が自分の中で出来てしまったのかも知れません。

演奏する先輩と何度か目が合いました。「お、気付いたかな?フフフ…」と1人ほくそ笑んでおりましたが、自分の出番が終了してもまったく声をかけてくれません。気付かれてるんなら向こうからくるかなーと思っていたんですけど、一向に来てくれないので自分からガッツリいってやりました。(待つのは苦手なのよ)

 

 


帽子を取って挨拶に行ったら、驚かれてしまいました。

どうやら僕だとは気がつかなかったようです(泣)

先輩とも無事交流できたし、後は他のライブを純粋に楽しむだけになりました。
後から出てくる演者さん方は皆自分の音楽を自由な発想で表現していました。
先輩が最初だったのは『これぞピコピコ』という王道スタイルが入り口として入りやすかったからでは無いかなと思います。

ゲームボーイを使う人

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遊んでるわけじゃないですよ!


・エアロフォン(電子サックス)を使う人

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シルエットが渋い

 

・ギターを使う人

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クールな演奏でした

 

この他にも

・映像・ナレーションを挟んですごい世界観持ってる人
・宣伝に協力者を用意して寸劇を披露する人


…等々、驚きの展開が満載で5時間という長丁場でしたが飽きることなく最後まで鑑賞できました。

全部の内容を細かく書くとめっちゃ長くなるので、個人的に特に驚いた所3つをご紹介します。

 


【1】まさかの選曲
4番目の演者の方は今回既存曲のアレンジのみのセトリだったわけですが、
なんとDormirの『にゃんだふる55』チップチューンアレンジしてくれました。
Dormirって誰?って人に説明しますと、僕が大好きなBEMANIシリーズで活躍されている2人組のユニットで、ハイクオリティかつ多彩なジャンルの楽曲を、女性ボーカルがマシュマロで出来たホットケーキのようにふんわりと優しく歌い上げることで、中毒性溢れる魅力的な音楽に昇華する素敵過ぎるアーティスト。それがDormirです。

参考までに原曲のプレイ動画を貼っておきます。

youtu.be

 

まさかここで音ゲー楽曲が聴けるとは思わなかったので、1番テンションが上がってしまいました。この演者さんは他にもかっぱ寿司のテーマ』のアレンジなんかも演奏されていて、オーディエンスは爆笑の渦に包まれていました。

 


【2】台が無い!!
5番目の演者の方はエレキギターとキーボードを用いてのライブだった訳ですが、いざキーボードを使うぞ!って言うタイミングでキーボードスタンドが無いことが発覚。
「ショルキーじゃねーのかよ!!!」というその場にいる全員が突っ込まざるをえなかった珍事件。皆が慌てふためく中、客席の中から手を上げる1人の勇者がいた。

 

 

 

 


「俺、支えますわ」

 

 

 

 

 

そして

 

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これから先こんな光景は2度とお目にかかれないだろう。


一躍注目の的になった彼は、支えながら盛り上げ役も買って出るパワフルさも披露。

 


【3】ライブではよくあること
トリを務めたのは司会進行も担当していた方で演者全員の曲をアレンジして40分ノンストップメドレーにする』という胸熱展開を披露。

が無ければ絶対に成し遂げられませんよ。

 

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手書きテロップまで用意されてました。

しかし、順調かと思われたメドレーを、予期せぬトラブルが襲います。
LSDjというソフトを動かす媒体としてゲームボーイを2台使用していたのですが、その内の1台が突如動かなくなり、演奏が止まってしまい全ての音が消えてしまう非常事態。

 

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黒いのがLSDj


盛り上がっていた観客から「ええーーー!!?」という声が漏れます。
しかしMCを務めていただけあって切れた間を冷静にコメントで凌ぎつつ、素早くバックアップに繋げ変えます。その内、客の一部からも「こういう事はライブじゃあるある」「むしろ今まで何も無かったのが不思議なくらい」と寛大な意見が返ってきます。
キーボードを支えた勇者もそうですが、客が演者をフォローするという空気は、客と演者が近距離で一緒になって盛り上がれるライブハウスならではだと思います。


僕らは今日、純粋に音を楽しんでいました。なので多少何があろうと笑って過ごせます。
音楽が持つ不思議なパワーを改めて認識しましたね。

 

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最後は来てくれてありがとう!というテロップで締め!

ライブハウスで音楽を聴くのは実に7年振りになるのですが、やはり良いもんですね。
メジャーなアーティストのライブを横浜アリーナや東京ドームといった大型会場でど派手な演出と共に安定の演奏を楽しむのも良いですが、こうして『予算も会場も演出も限られる中、出来る範囲で良いモノを作り上げる』というのも、暖かみや工夫が随所に感じられてほっこりと良い気分なります。

例えるならクリスマスをディズニーランドでど派手に迎えるか、家で朝からツリーを飾り付け、友達呼んで朝までパーティをするような違いですね。

 

今回スクランブル参加だったわけですが、とても楽しい時間を過ごすことができました。

演者の方、営の方、会場さん、お疲れ様でした。ありがとうございました。

た似たようなイベントがあれば、お金と時間の許す限り参戦したいと思います。

(今回の記事については知識不足な面もあるかと思いますので、気になった事があれば遠慮なくコメントしてください。)

 



☆お・ま・け☆

休憩中に会場内の様子を撮影したのですが、記事の中に入れる余裕が無かったのでおまけとしてお楽しみください。

 

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ギョギョー

 

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ギョギョギョー

鮮魚コーナーかな?

 

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ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲じゃねーか、
完成度高けーなオイ

 

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この子なんて名前だっけ

この可愛いお魚が入った水槽に、最大の突っ込みどころ発見。

 

 

 

 

 

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おや?なんだろうあれは……………。

 

 

 

 

 

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!!!!!

 

 

 

アンチに沈められたか………


どーでもいいけどコレ思い出した。(わかる人いるかな)

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★終・わ・り★

2017年夏、某ファミレスでの出来事

今回は去年の夏にあったエピソードを書こうと思います。

 



夕飯時にうちの近所にある某ファミレスへ行きました。

食後に「デザートでも食べるか」としばらくメニュー表とにらみ合い

じっくり漬け込んだふわとろフレンチトースト チョコバナナ』

とかいう情報詰め込みまくりなメニューに目が止まりました。

 

僕は甘いものには目がありません。チョコも、バナナも、フレンチトーストも好きです。
しかもそれをじっくり漬け込んでいるわけですよ。ふわとろなんですよ。
その名前に完璧にノックアウトされた俺は、即注文ボタンを押して店員を呼びました。

やってきたのは笑顔がすてきな50代前後のおっちゃん。
はやる気持ちを押さえつつ『じっくり漬け込んだふわとろフレンチトースト チョコバナナ』(略してじっくりバナナ)を注文した。

おっちゃんはメニューを聞いてメモする。紙とペンで。

夕食の注文をしたときに来たねーちゃんは、確か電子注文機を駆使してました。
アナログ派の親父なんだな…とその時は思ったんです。

注文を書いてからおっちゃんは少し難しい顔をしました。
「フレンチトーストがまだあるか確認しますね」
そう言ってスタッフ用のトランシーバーに耳を傾け、しばらく間があいてから
「大丈夫です。ご用意出来ます」
と満面の笑みを提供してくれました。
厨房の中へ戻ってゆくおっちゃんを見届けて、俺はじっくりバナナへの想像を膨らませていた。

 

〜〜〜以下妄想タイム〜〜〜

...ふんわりとしたトーストに差し込まれていくナイフ。チョコソースと生クリームが谷底に飲み込まれるように沈む。一口サイズにカットされたトーストの上に、これまた一口サイズにカットされたバナナをのせる。小さな夢の国の誕生だ。
口の近くへ運ぶとチョコの優しくも大人の香りが鼻腔をくすぐる。う〜ん、マンダム。
そのまま口いっぱいに頬張ると、『幸福の甘さ』が口から全身へ広がる。

まさにトースト、チョコ、クリーム、バナナが織りなす弦楽四重奏だ。

〜〜〜以上妄想終了〜〜〜

そんな至福の妄想もそこそこに、先ほどのおっちゃんが戻ってきました。


「すみません、やっぱりフレンチトーストは切らしていたみたいです」


僕は内心落胆しました。さっきの確認はいったい何だったんだ。誰に確認したんだ?


何か別の物を注文しようとしますが、頭を『じっくりバナナ』がすっかり支配していたのでうまく切り替えがききません。メニュー表に広がるデザートたちをとどまることを知らないハエを見るような気分で眺めていると、視界の端にあるメニューが入りました。
それは『チョコパフェ』でした。俺はこれだと思い、即座に注文しました。


最大の目標は適わなかったけど、チョコレート味のデザートということに変わりはありません。人気バンドのボーカルが血迷ってソロ活動するようなモノです。それにパフェでもフレークや生クリーム、クッキーなど食感のワンダーランドを楽しめるじゃないですか。
そうだ、それでいいじゃないかと自分に言い聞かせます。

 

 

 

 


(…じっくりバナナ、食べたかったなぁ…)

 

失恋のショックを引きずりながら新しい女と遊んでいるような気分です。


5分ほど待っていると、先ほどのおっちゃんとは違って若い女性店員がメニューを運んできました。

「お待たせしました。こちらプリンアラモードになります」


(………!?)

 


(………ぷりんあらもぉど?)

 


(なんだそれは!?)


 

 


(そんなもん呼んだ覚えはない!!!)

脳内は完全にチョコパフェで満たされていたので、目の前の状況が理解出来ませんでした。
見知らぬ親父が家に勝手に上がり込んで居間でTVを見ているぐらいの衝撃。

 

「あの…違うんですけど…」

 

混乱する頭を落ち着かせてようやく声を絞り出しました。

 

「チョコパフェ…頼んだのは…チョコパフェ…」

 

そしてメニュー表の理想郷を指さします。


「え?えっ!?」


慌てふためく店員さん。伝票を見返しているのでこちらも確認させて貰うと、確かに「プリンアラモード」の品名がタイプされていた。

 

「あっ・・・申し訳ありません!」

 

一度おいたアラモードを下げようとする店員さん。

(待て待て待て待て!まさかそのアラモー、捨てる気じゃあるまいな!?)

「大丈夫です、このままで、これ食べます!」

僕は慌ててアラモをテーブルに戻させました。MOTTAINAIの精神、これ大事。

 

「チョコパフェとお値段が変わってしまいますが…」

 

確かにアラの方が30円程高い。しかしこのやりとりももう疲れていた僕は、
「いいです、これでいいです」とアを食べることを強行しました。

意識の外からやってきたプリンとフルーツの盛り合わせは、思いの外自分の舌を楽しませてくれました。プリンの上にメロンソースがかかったソフトクリーム、メロン、バナナ、キウイが七福神の如く乗り込み、プリンの下にはフレークと柑橘系のムースが敷き詰められており、飽きることなく食べ切る事が出来たので満足度は高かったです。

まあ、チョコパフェが食べたかったけど。

 


もっというと、じっくりバナナが食べたかったけど。

 


願いは叶わない。想いは届かない。現実って残酷ね…


食べている途中、別の席に同じアラモードを持って行く様子を流し見していたんですが、客が苛ついている様子が垣間見れました。
「注文したのに来るの遅ぇよ!なにやってたんだよ!!」とでも言わんばかりの態度。
もしかしたらこっちに来たアラモードは、お宅の子だったのかもしれないね。

とんちんかんな対応をした50代前後のおっちゃんは、アラモード登場以降俺の前に一切姿を現さず、厨房の壁に貼り付けた伝票を眺めていた。店長から
「君が出ると話がややこしくなるから、今日はもう引っ込んでいなさい」
なんてことを言われたんでしょうか。

その後は何事もなく食べ終わって、普通に会計して、いつも通りくじ引いて、当然のように店を出ました。

 

謝罪の一つでもあるかと思ったけど、びっくりするほど何もなかった。



たまに行くとこんな素敵な食事を提供してくれる近所のジョ◯サンが、僕は好きです(笑)

【DB考察?】第1回 天下一罵倒会

 ご存じかと思いますが、おじさんはドラゴンボールが大好きです。


過去記事でもベジータを出したり、パロネタを入れたりとどこかにネタを挟まないと死んでしまう病気なんじゃ無いかというくらいに脳内にセリフや世界観が染み込んでいます。
いずれ書きためた考察記事なんかもアップしていく予定ですが、初回と言うことで、とっつきやすそうな事をしようかなと思いました。

今回のテーマは、こちら!!!
ドラゴンボールキャラ別「くそったれ」発言回数ランキング』

僕思うんですよ、ドラゴンボールほど「くそったれ」って罵倒が出てくる漫画、他に無いんじゃ無いかって。知ってたら誰か教えてください。
現実でも「くそったれ」って言っている人はあまり見たことがありません。でも割と便利な罵倒なんですよね。

★主な用途★
・追い詰められてヤケクソに攻撃するとき
・仲間のミスを叱咤するとき
・自分自身のふがいなさに憤るとき
・敵が予想以上に強かったとき
・気に入らない奴を始末したと思ったとき

…等々、事あるごとにドラゴンボールの世界では色んなキャラクターがくそったれ」と発言しています。下手すりゃ「かめはめ波よりもセリフとしての登場回数は多い気がします。
他にも「ちくしょう」や「くたばれ」なんかもよく出てくるのですが、その辺は他の漫画でもよく出てくると思うので、やはりくそったれ」って罵倒はドラゴンボールを象徴する名台詞と言えますね。

と言うことで『原作で1番「くそったれ」を使いこなしていたのは誰なのか』と言うことが気になったので1巻から集計してみました。

 

 


記事のタイトルには【第1回】ってつけてますが、多分これっきりでしょうね。

 

 


★ルール★
・集計範囲は原作コミックス全42巻・519話
・アニメ・ゲーム等は集計しない。あくまで原作のみ
・「くそったれ」「クソッタレ」どちらも可
・「クソガキ」「クソバカ」「うんこたれ」「クソーッ」等、近いけど「くそったれ」ではないセリフは対象外

では早速、最も「くそったれ」と言っていたキャラは一体誰なのか、ランキング形式で発表しましょう。

 

 


第5位 発言回数1回

 

 


孫悟空

ヤムチャ

人造人間18号

ドドリア

ジー

車を暴走運転する一般人

銃で殺人を楽しむ一般人
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なんと7名ものキャラが該当します。

悪役達は追い詰められたときの苦し紛れのひと言としてよく使っていました。
実は記念すべき初「くそったれ」発言をしたのは皆大好きヤムチャさん。(1巻8話)
女性キャラである18号が発言していたのはちょっと意外でした。ちなみに他の人造人間は一切言ってません。(17号やセル第2形態の方が言ってそうなのに)
それにしても主人公である悟空はもうちょっとがんばって欲しかっですねぇ~(?)

 

 

 

 


第4位 発言回数2回

 

 

 

 

クリリン
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単独でのランクインとなりました。さすがは地球人最強、ヤムチャさんには負けません。
発言時期は2回ともサイヤ人編で、ヤムチャ栽培マンの自爆で死亡した後、ベジータ「おい!きたないからかたづけておけよ、そのボロクズを!」というセリフに怒るシーンと、元気玉ベジータに当てようとしていたときにヤジロベーにせかされた為にベジータに気付かれてヤケクソで技を放つシーンです。

 

 

 

 

 

 


第2位 発言回数3回

 

 

 

 

 

 



ピッコロ

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魔人ブウ(孫悟飯吸収)

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2名のキャラが該当。
ピッコロはバランス良く、フリーザ編・セル編・魔人ブウ編で各1回ずつ発言しています。
中ボスキラーに始まりかませ犬から解説役、教育係までこなす出番の多さがこの順位まで押し上げた理由でしょう。
普段沈着冷静な彼が、冷や汗ダラダラで「くそったれ」と発言することで読者は(あ、今ヤバい状況なんだ…)と緊張感を覚えたものです。

一方、魔人ブウ(孫悟飯吸収)は終盤に登場してこの順位。しかも505、506話だけで怒濤の「くそったれ」ラッシュを魅せています。
自分が史上最強の魔人だと思った矢先に超ベジットに圧倒され足だけで充分だぜ」「もっと本気でやって欲しいな」等さんざん煽り倒されたのでイライラが凝縮された「くそったれ」発言達でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


そして栄えある第1位は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 


発言回数 11回

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベジータ

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まあ予想通りですね。クソータ「ベジッタレー」とネタにされるだけのことはある。

とはいえ、2位に4倍近い差をつけてのぶっちぎり優勝は驚きでした。
ドラゴンボールくそったれのバーゲンセールにしたのは間違いなく彼のせいですね。
全キャラ合計26回の「くそったれ」の内、実に40%以上もベジータ1人で発言しています。まさにくそったれ界のカリスマ。
シリーズ通してまんべんなく登場しているのですが、フリーザ編の時点でとっくに優勝可能な記録(5回)は持っていたのにその後も記録を伸ばし続け、さらに最終巻の後半だけで3回「くそったれ」を使いその地位をより確固たるモノにしました。さすがは王子、並の「くそったれ」使いとは格が違います。

ここでベジータ「くそったれ」発言を1つ1つ画像と共に振り返ってみましょう。

 

【くそったれ No.1】 コミックス20巻  153ページ

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ベジータくそったれ伝説の始まり

悟空、クリリン、悟飯の連携プレーによる元気玉をくらうもしぶとく生き残り、全員吹き飛ばそうと残ったエネルギーを振り絞って全身から爆発波を放った直後。

髪型がだいぶ面白いことになっている。

 

【くそったれ No.2】 コミックス20巻  170ページ

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初回からわずか17ページ後に登場。飛ばしていきます。

 

満月を見て大猿に変身した悟飯の尻尾を切ろうと気円斬をぶっ放しています。

必死さが伺える良いシーンですね。

うまいこと尻尾は切れたものの、小さくなり始めた大猿悟飯に踏み潰され、撤退の決定打となりました。

 

【くそったれ No.3】 コミックス23巻  117ページ

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舞台はナメック星へと移り、フリーザ軍と熾烈なドラゴンボール争奪戦を繰り広げている最中、フリーザが呼び寄せたギニュー特戦隊がナメック星に到着し、ベジータの元へ近づいてきていることを察知してめちゃ焦っているシーン。

 

【くそったれ No.4】 コミックス24巻  163ページ

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新しい使い方が出てきました。複数形でもいけるなんてほんと便利な罵倒。

 

ドラゴンボールで願いを叶えるのには合言葉が必要だと知ったベジータは、クリリン、悟飯が神龍を呼び出すところをこっそり盗み見しようとしています。

はじめてのおつかいに行った息子達を影から見守るお父さんのような構図で妙に微笑ましい。

 

【くそったれ No.5】 コミックス25巻  75ページ

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複数形その2。ブチギレ度ではNo.1。

 

眠っているベジータを出し抜いてデンデの協力の元、2つ願いを叶えてしまったクリリンと悟飯に詰め寄るシーンです。

歯茎の露出度がすごい。

 

【くそったれ No.6】 コミックス28巻  151ページ

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今までで一番静かな「くそったれ」

 

未来から来たトランクスが、「3年後に人造人間がくるよ」と忠告をして帰って行った後、なぜかサバイバルゲームに参加する時のような決意表明をする王子。

 

この頃には地球の生活にもだいぶ馴染み、アニメではピンクの服をよく着てました。

 

【くそったれ No.7】 コミックス34巻  155ページ

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大猿悟飯との戦い以来のやけくそ系「くそったれ」

 

セルは悟飯の真の力を解放させる為、セルジュニアを生み出してZ戦士たちに襲い掛かるよう指示します。

向かってくるセルジュニアに対して「俺は負けないぞ!」的な意味の「くそったれ」ですね。

しかしセルゲーム開始前にクールに「フィニッシュを決めるのは俺」とか言っておきながら息子にすらビビりまくってるのはさすがにどうなのよ王子。

 

【くそったれ No.8】 コミックス39巻  89ページ

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両サイドの「…」に深い哀愁を感じる。

 

サイヤ人の戦闘欲求と地球人として平和に暮らす葛藤に決着をつけるべく、わざとバビディの魔術にかかったベジータは思う存分悟空と戦います。しかしその結果魔人ブウ復活を助けることになってしまい、その責任を取ろうと単身打倒ブウに挑んだわけですが…。

 

前後のエピソード補正もありますが、これがマイベスト「くそったれ」ですね。

 

【くそったれ No.9】 コミックス42巻  121ページ

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ものすっごい海老反り。

魔人ブウを消し去るには超サイヤ人3の悟空が1分間気を溜める必要がある。

ということで無謀にも時間稼ぎ役をかってでたベジータ

油断しているブウに渾身の一発をブチかまそうと気合のこもった「くそったれ」です。

 

【くそったれ No.10】 コミックス42巻  176ページ

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ジャンル的にはギニュー特戦隊の時と近いニュアンスの「くそったれ」ですが、時を経て精神的にかなり成長したのか、大人の味わいと余裕すら感じさせますね。

 

魔人ブウを消し去るために元気玉を使おうと、地球人から元気をギリギリまで貰う作戦の途中でミスター・サタンが投げた小石がブウに当たってしまい、元気玉の存在がバレてしまったというシーンです。

 

【くそったれ No.11】 コミックス42巻  187ページ

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わずか10ページ後。最後までサービス精神旺盛な王子。

 

元気玉は完成したものの、時間稼ぎで魔人ブウと戦ってボコボコにされ、その場から動けなくなってしまったベジータ

俺にかまわずやれと強気に言い放つ最後の「くそったれ」には

使えばもう決着なのに余計な事で躊躇う「甘ちゃんのカカロットに対して

ボロボロに負けて動けなくなってしまった「自分の情けなさ」に対して

生き返ったばかりなのにまた死ななければならない「自分の命」に対して

自分が命を賭けても倒せず、愛する家族や地球人達を皆殺しにした「憎きブウ」に対して

等、いろんな想いが絡んでいるように思えます。

 

以上、ベジータ王子「くそったれ」特集でした。

★まとめ★
集計を始めると各編で偏りがあるのが面白かったです。
1巻で早速ヤムチャ初「くそったれ」と言ってくれたと思ったら、その後は皆無少年編では結局ヤムチャしか言ってません。
フリーザ編では23巻~26巻まで色んなキャラが満遍なくくそったれ」を使い、マルチな状況で使える便利な言葉として浸透していきます。
サイヤ人編とセル編はベジータが最強であるシーンが多いためか各4回(それでも内2回はどちらもベジータ)しかなく、転じて魔人ブウ編は最多の10回。しかも最終巻の魔人ブウベジータだけで6回を占めるという偏りっぷり。

この辺の偏りについても、鳥山先生のなにか意図があるのではとつい考えてしまいますね。


では最後に、【第1回 天下一罵倒会】見事優勝を果たしたベジータに、祝辞を贈ろう。

 

 

 

 


おめでとうベジータ
おまえがナンバー1だ!!

(次回はまともな考察記事書きます)

オリジナル小説『友達100人できるかな?』第2話

これはおじさんのオリジナル小説です。

毎週水曜日の21時更新を予定しておりますので、暇つぶしに良かったら

見てってくださいまし。

*前回のあらすじ*
家庭の事情で都内から田舎に転校した小学6年生の篠原麻弓は、引っ込み思案な性格から友達が作れないことで悩んでいた。1学期の終業式の日、学校が終わると麻弓はいきつけにしている裏山の公園で1人遊びを始める。そこへサキと名乗る少女が現れて共に楽しい時間を過ごすが、帰り際サキに導かれるままに向かった先は目もくらむような断崖絶壁だった。

第2話 <電話の相手>

 目を開けると、蛍光灯の青白い光が飛び込んできて眩しさに思わず顔をしかめた。視界がはっきりすると、今度はアルコールや消毒薬といった薬品の匂いが鼻を刺激する。目の前には白いシーツ。そうか…ここは病院だ。
 私は病院のベッドで寝かされていた。左腕には点滴の管がついており、そばに立てられたスタンドに取り付けられた袋と繋がっていて、栄養剤だと思う液体が1滴ずつ一定のリズムで私の身体に送り込まれている。点滴に気をつけつつゆっくりと身体を起こして周りを見ると、私以外誰もおらず、ベッドも自分が使っている1つのみ、どうやら個室のようだ。
 なぜこんなところにいるのかを考えていると、ドアが開いてビニール袋が落ちる音がした。見ると、母親の裕子が目を潤ませて立っていた。

「麻弓、目が覚めたのね!」

 ベッドに駆け寄ってきた母は、そのまま私の身体を強く抱きしめ、無邪気な犬をあやすように頭をわしゃわしゃと撫でてきた。ちょっと痛かったけど、涙や鼻水で顔が汚れることも気にせず、何度も私の名前を呼びながら撫で続けるその気持ちの方が痛くて、母の気が済むまでそのぬくもりを味わうことにした。

 落ち着きを取り戻した母から詳しく話を聞くと、今日は公園に遊びに行った日から1ヶ月ほど経過していて、捜索願いが出されていたこと、発見された場所は家から遠く離れた山奥で、とても子供の足ではたどり着けないような距離だったこと、病院に担ぎ込まれてから1週間も眠り続けていたことを教えられた

「一体何があったの?ゆっくりでいいから、話してちょうだい」

 ひとしきり自分の話が終わると、母は穏やかな口調で訪ねてきた。

「いつも遊んでる裏山の公園に行ったら、知らない女の子がいて…サキっていう子なんだけど、友達になったから一緒に遊んでたの。暗くなったから私は帰ろうと思ったんだけど、サキが私の腕を掴んで、すごく長い時間歩いて知らない山奥まで連れていかれてね、やっと着いた丘の下に花畑が広がってて、サキがその中に飛び込んだから自分もついていこうとしたら、怖い顔したおじさんに声かけられて、気がつくと花畑が消えて、崖になってて…」

 私は少しずつ思い出しながら体験したことを正直に説明した。母は花畑の辺りで混乱していたが、自分で言っていても意味が分からなかった。

「そうだ…サキは?サキはどうしたの?一緒に遊んだ女の子!」

 あのときは混乱していて気にする余裕がなかったが、彼女はありもしない花畑の中に飛び込み、私に手招きしたのをはっきりと覚えている。

白いブラウスと赤いプリーツスカートを着た大人しそうな子は見なかった?」

 私はまくし立てるように問いかけた。しかし母は首を横に振り、

「そんな子はどこにもいなかったけど…?」と首をかしげつつ答えた。

 一体どういう事だろう…?サキは本当に実在したの?それとも友達がいなさすぎるあまり、私の心が作り出した幻だったのかな?

「さっきから変なことばかり言ってないで、怒らないから、正直に説明しなさい。家出したかったの?それとも誰かに連れて行かれたの?」

 私があまりに非現実的な説明を繰り返したせいで、再会した時の安心しきった表情から、だんだんとお説教するときみたいなあきれ顔になってきた。
 いったん頭の中を整理しようと深呼吸をし、棚に置いてある自分のポーチを見て、スマホで一緒に写真を撮ったり、連絡先を交換したことを思い出した。私は「サキと一緒に遊んだ証拠がある」と言って母にポーチの中にあるスマホを取り出して貰い、写真フォルダ内の最後に撮った写真を見るように指示した。写真を見た母は目を見開いて小さい悲鳴を上げ、スマホをベッドの上に落としてしまった。

「ま…麻弓、いたずらにしては、ちょっと手が込みすぎているんじゃ無い?」

 左目の端をピクつかせながらそう言った母は、落ち着こうと自分のバックからペットボトルの水を取り出し、一口飲む。
 予想外のリアクションをされた私は、たまたま右手の近くに落ちたスマホを拾って写真を見る。そこには信じられない光景が映し出されていて、驚きのあまり呼吸が止まった。
 撮ったときは普通の写真だったはずなのに、今は写真全体を黒いもやが覆っている。特に、奥にはにかみ笑顔で写っているサキの周りは、より黒く重々しい雰囲気に包まれていた。更に、2人が写ってないスペースにかかっているもやは、まるでサキを睨み付けている横顔のように見える。

「なに…これ…?」

 胃から何かこみ上げてくる感覚がして、とっさに口とお腹を押さえる。

「どういうことなの?あなた一体何をしたの?」

 母は厳しさと心配が混じった表情で私の顔をのぞき込む。

「わかんない、わかんないよぉ…」

 不安や恐怖で胸がいっぱいになり、私は声にならない声を出して泣いてしまった。すると母が私の背中を優しくさすり続けてくれたので、少しづつ落ち着いてきた。
 涙が止まってしばらく意気消沈していると、ちょっとふっくらしているけど優しそうな50歳くらいの男性のお医者さんが病室に入って来た。

「篠原さん、目が覚めたんですね。よかった…どうですか?気分の方は」

 お医者さんは細い目を更に細めて私に問いかける。

「あまり…良くはないですね」

 私はうつむきがちに応えた。

「目覚めたばかりで頭が混乱しているんでしょうね、身体も動かしていないので多少衰えていますし、少しずつ調子を取り戻していきましょう。後で検査に来ますので、よろしくお願いしますね」

 お医者さんは私と同じ目線までしゃがんで柔らかい口調でゆっくりと話すと、立ち上がって今度は母に声をかけ、一緒に病室を出ていった。
 1人になったとたん不安感が強くなり、何かから身を守るようにベッドに潜り込んで目を閉じていると、あの時のことが次々と脳裏に浮かんできた。誰もいなかった公園、そこに突然現れたサキ、一緒に遊んだ楽しい時間、帰り際強く掴まれた腕…。
 記憶を辿っていると、急に右手首が痛み出した。おそるおそる見ると、サキに握られていた箇所がドス黒く変色していた。それを見てまた目の端に涙が浮かんでくる。私の身体はどうしちゃったんだろう…サキに出会ってから、おかしな事ばかりだ。彼女は何者なの?私が一体何をしたの?訳が分からないことが多すぎて、もう気が狂いそう。
 手首を眺めて呆然としていると、お医者さんと母が病室に戻ってきて私はとっさに手首をシーツに隠した。お医者さんの指示にしたがって聴診器で胸や肺の音を聞いたり、脈を測ったりといった一通りの身体検査や、名前や生年月日といった自分に関することから、簡単な一般常識や計算問題等に答えていった。身体検査の時に握り痕を見られたくなかったので右腕を出すことをさんざん渋っていたのだけど、いざ腕を出すと不思議なことに握り痕は綺麗さっぱり無くなっていた。
 数時間後、検査結果が出て全ての項目で今のところ問題は無いことがわかり、点滴も外された。ひとまず健康体であることは分かったので親子揃って一安心したが、念のため今日は病院で1泊することになり、母は明日の15時に迎えに来ると言って病室を出て行った。
 夕食も終わり、お医者さんもこなくなって静まりかえった孤独で静かな夜の病室。再び不安な気持ちが高ぶってきて、あふれる涙を止めることが出来ない。しかし、衝撃的な事が起こりすぎたせいか頭はもう疲れきっていたようで、いつのまにか泣きながら眠っていた。

 スマホが鳴り響く音で、私は目を覚ます。とっくに消灯時間を迎えたらしい暗がりの病室で、机の上に放置したスマホが青白い光を浮かべている。

 (こんな時間に一体誰からだろう…お母さんからかな?あれ、私マナーモードにしてなかったっけ…?)

 そんなことを考えながらスマホを手にとり、画面を見る。そこに表示される名前に、思わず背筋を冷たいものが通った。
 時刻2時24分、着信相手…サキ。
 どうする?電話に出るべきか…?出たら、また恐ろしい事が始まる気がするけど、出なければ何もわからないままだ。私は少しでもこのモヤモヤした気分を晴らしたかった。
 しばらく迷った後、意を決して応答ボタンを押した。恐る恐る耳を近づける。

「………もしもし…?」

 張り詰めた静寂の中、口の中で絡みつく生唾が苦しくて、無理して飲み込んだ。やがて、電波状態の悪いラジオに混ざるような酷いノイズと、黒板を爪で引っ掻く時に似た不快な音をバックに、声が聞こえてきた。

「……………………………タ……テ……」

 ノイズが酷くてうまく聞き取れない。

「もしもし?サキ?サキだよね?」

「…………………ケ……タ………コ……」

「今どこにいるの?大丈夫?」

 恐怖などと言っている場合ではない。たった1人の友達が、私に何かを伝えようとしている。一つも聞き逃さないよう、耳の神経を研ぎ澄ませなければ。

「……コ?……タ…ハド…ナッ……ノ?…ラ……サ…ヨ……タ…ケテ…」

 しかし集中しようと思えば思うほど、ノイズは大きくなっている気がした。

「サキ!どうしたの?なにがあったの!?」

「………………………………………………タスケテ。」

 ようやくひと言だけ聞き取れたと思った直後、暴風雨の中に入ったような凄まじい風の音と、張り詰めた電線を工具で無理矢理切断したような音がして、通話が切れてしまった。
 私はしばらくの間、通話が切れたことを伝える通信音を呆然と聞いていた。

 次の日、母は予定通り15時に私を迎えに来て、車で1時間ほど田舎道を走って約1ヶ月振りに我が家に帰ってきた。玄関先で病院から持ち帰った荷物を置くと、母はふぅっと息を吐いて、

「じゃあお母さん、これから夕ご飯の準備で買い物に行くから、部屋の片付けお願いね」

 そう言って靴も脱がずに、そのまま出て行ってしまった。

(久々に家で一緒に過ごせるんだから、もう少しゆっくりしていっても良いのに…)

 ちょっと寂しい気持ちになった。まあ女手一つで働きながら私を育ててくれているので、仕方ないと言えば仕方ないんだけど…。
 荷物の中の衣類を洗濯へ放り込み、シンクに溜まっている洗い物を片付けたり、散らかったゴミをまとめていく。家の中は私が思った以上に散らかっていた。入院している間、職場と病院を往復するだけで精一杯な毎日だったのかな…その苦労を想像すると、とても申し訳ない気持ちになってくる。今までより、いっぱい手伝いしよう。
 一通り片付いたので、少し休憩しようと冷蔵庫からオレンジジュースを取り出してコップに注ぎ、自分の部屋に持って入った。
 ふと壁に掛かっているカレンダーが目に入る。今日は8月23日。夏休み終了まで後1週間くらいか…って1週間?後1週間しか無いの?
 急いでランドセルの中の宿題を取り出す。当然どれもまっさらなままだった。

(宿題、1つもやってない…)

 それからの私は夏休みの残りの時間、ほぼ全てを宿題に費やすことになる。

 あっという間に2学期に入った。まだまだ暑い教室に久々に集まった同級生は皆真っ黒に日焼けしていて、沖縄に行っただのハワイに行っただのプールに行っただのキャンプで大きなカブトムシを見つけただの、夏休みを満喫した話をそこかしこでしている。
 私の夏休みは…終業式の日から行方不明、1ヶ月後に帰宅、残り全部宿題。以上終わり。ほとんどの時間を病院と家で過ごしたおかげで全身驚きの白さ。

(ああ…40日は気兼ねなくゆっくり出来ると思ったのに…)

 いつもとは違う意味でテンションが下がり、机に突っ伏する。
 結局宿題は終わらなかったし…まあ、本来1ヶ月以上かけてする量の宿題を、1週間で終わらせようと言うのが無理な話だ。幸いこの状況を見かねた母が、夏休み中に担任の楠田先生に事情を連絡してくれたお陰で「出来る所までやって貰って、残りは冬休み前までに全部出せればOK」という特例を貰えたので、ひとまず安心した。
 あれからサキは何の連絡もして来ないし、変わったことは特にない。さすがに怖いので公園に近寄ったり、写真を見返したりはしていないけど…私は夏休みに宿題をしているときも、こうして学校にいる間も、気がつくとサキのことばかりを考えていた。

 学校から帰宅後、居間でダラダラとスマホで遊んでいる間も、頭の片隅でやっぱりサキのことがどうしても気になる。

(彼女は今どこで何をしているんだろう…?…最後に「助けて…」って聞こえたような…)

 そんな事をぐるぐると頭の中で考えているとふと『サキがかけてきた番号に、こちらからかけてみよう』という発想が浮かんだ。
 このまま何も分からない不安な気持ちのまま毎日暮らすのは嫌だ。サキについて少しでもわかることがあれば、調べたい。思い立ったが吉日ということわざもあるし、ということで早速サキの番号にリダイヤルしようと着信履歴に指を滑らせる。あれだけ怖い思いをしたというのに、のど元過ぎればなんとやら…今はサキの正体を知りたい好奇心の方が上回っていた。
 リダイヤルをかけ、1分ほど無機質なコール音を聞いた後ようやく繋がった。

「…はい、井川です…」

 覇気の無い女性の声が聞こえてきた。しわがれ具合からかなりの高齢だろう。てっきりサキの声かあのノイズが鳴り響くのかと思っていたので、ちょっと驚いた。しばらくなんと声をかけようかと考えていると、

「………あの、どちらさまですか……?」

 井川、と答えた老女の方から問いかけられた。

「すみません私、篠原麻弓と申します。サキさんはいらっしゃいますか…?」

 結局1番無難な挨拶を済ませ、そのままふた呼吸ほど間があく。

「…………失礼ですが、あなたはサキとどんな関係で……?」

 どんな関係?妙なことを聞いてくるなと思った。

「友達です。1ヶ月前に一緒に遊んだんですけど、色々あって会えなくなったんで、交換した電話番号にかけてみたんです」

 私は正直に事情を説明する。今度は今まで以上に長い沈黙が2人を包み込む。やがて井川さんが、

「そんな、嘘はやめてください。1ヶ月前に遊んだなんて…そんなことあり得ないわ…。どこで知ったのか知らないけど、くだらないいたずらならもう辞めてください」

 と呆れた口調で言い返してきた。そのまま電話を切られそうだったので、慌てて話を繋げる。

「ま、待ってください!本当なんです、本当に私、サキと遊んだんです!証拠はないけど…信じてください!」

 こんなことで引き留められる自信は全く無い。でもサキへの唯一の手がかり、繋がりを絶つ訳にはいかない。

「フフフ…あなたって面白い人ね、今まで色んないたずら電話がかかってきたけど、そこまで本気になる人は初めてよ………。でも、やっぱり遊んだなんてあり得ないわ。だって…………」

 井川さんは、私の頭にすり込むように今までよりゆったりと言葉を続けた。

「私の娘…井川紗希は……30年前から………『行方不明』なんですもの」

 

                                         To Be Continued...

オリジナル小説『友達100人できるかな?』第1話

これはおじさんのオリジナル小説です。

毎週水曜日の21時更新を予定しておりますので、暇つぶしに良かったら

見てってくださいまし。

 

ちなみに記念すべき第1作目のジャンルは「ミステリーホラー」

となっています。

グロテスク表現等、精神的にクる描写が多々ありますので、

苦手な方は覚悟して読んでください。

 

それでは、お楽しみください…

 

500円おじさん オリジナル小説【No.1】

 

タイトル『友達100人できるかな?』

 

 第1話 《初めての友達》

 つまらない。退屈。早く帰りたい。最近ずっとそんなことを考えながら、私は学校に通っている。
 別にいじめにあったり、勉強が出来ないというわけでは無いけど、健全な学生生活を送るのに必要不可欠な要素が私には欠けていた。


 創立100年は超えるオンボロの木造校舎。ギシギシ音が鳴る廊下をゆっくり歩き【6年】と札が出ている教室の後ろの扉をゆっくり開ける。
 中には既に10人ほどの同級生がいて、何人かのグループに別れ仲良くおしゃべりしている。誰も私に気がついていないのか、声をかけるどころか目を向ける者すらいない。無言でランドセルを教室後ろの自分の棚にしまい、窓際後方3列目の自分の席に座る。
 椅子を引いたときの鈍い音でようやく1人の男子、岡部が私の方を見た。あいさつしようと声を出そうと思ったが喉から言葉が絞り出される前に岡部はまた話の輪に戻ってしまった。
 転校してからずっとこの調子だ。私の存在なんて無いのと同じ。誰とも繋がりを持てない。
 

 私には『友達』と呼べる存在が1人もいない。

 

 いつもと同じように窓の方を向いて机に寝そべる。転校してから授業中以外はほぼこの体制なので、最近常に首がわずかに左を向いている気がする。
 だんだんと他の同級生も入ってきてますます教室が賑わう。男子達は黒板に落書きしたり、紙くずを丸めたボールと厚紙で作ったバットで野球をし、女子達は「商店街のどこそこのスイーツが美味しかった」だの「新しい髪留めがカワイイ」だの他愛ない雑談をそこらでしている。
 私はそれらの様子を眺めたり、遠巻きに聞くだけ。家でテレビを見るのと変わらない。そこに直接関わりを持つことはない。


 退屈になった私は、机に顔を埋めた。今日を乗り切れば、明日から夏休みだ。しばらくこの虚しい騒がしさから解放される。早く1日が終わって欲しい。うつぶせのままそんな事を考えていると、頭に何かが当たった。むくりと起き上がり周りを見ると私の机の前に紙くずで作ったボールが転がっていた。
 野球をしていた男子の1人、田辺が私の元へ駆け寄る。

「篠原さん、ごめん」

 田辺はそれを拾い上げると教室の真ん中にいるピッチャー役の男子、新島に投げ返す。

「ちゃんと捕れよな、下手くそ」

 新島は受け取りながら田辺に言った。

「うっせーな。ホームランだろ今の」

 田辺はすかさず返す。

(…大丈夫だよ)

 謝られたとき、本当はこう声をかけたかった。でもいざ声に出そうとすると緊張からかなかなか音が出せない。私が何かを言いかけた時には田辺は既に野球を再開していた。

 

 私は周りから『何を考えているのか分からない子』だときっと思われているだろう。なんとかしてコミュニケーションを取りたいのだが、いつも上手くいかない。暗い気持ちが毎日1つずつ増えていく。


 しばらくしてチャイムが鳴り、担任の楠田先生が入ってきた。体格が良く、ツンツン頭と茶縁の四角いメガネが特徴の男性教師。30代半ばの独身。

「おーい席に着けー。出席取るぞー」

 楠田先生が教室に入ってきた瞬間、男子たちは皆大慌てで遊び道具を隠したり、黒板の落書きを消したりしていた。ネットでよく見る変な動画の早送りみたいで少し面白い。
 全員席に着いたのを確認すると、出席簿を取り出した楠田先生はいつものように五十音順で名前を挙げていく。呼ばれた生徒は元気よく返事をする。


 私のクラスは男子10人、女子14人の全部で24人。各学年には1クラス20人前後しかおらず、全校生徒120人に満たない片田舎の小さい小学校だ。私は今年の春からここに転校してきたいわゆる『よそ者』だ。元々都内で父と母と3人で暮らしていたのだが、去年の冬に父が突然失踪。父には母と私に秘密で作っていた多額の借金があり、私は取り立てから逃げる為に母と2人、都内から車で北に3時間ほど走ったところにある田舎町へ引っ越すことになった。そして転校先であるこの学校へ通うことになるのだが、クラスメイトはみんな地元生まれ、地元育ちの子ばかり。幼なじみ限定のコミュニティのようなモノが自然と形成されていた
 部外者を受け入れない雰囲気がいつも漂い、『よそ者』の私はその内気な性格も重なって中々輪の中に入れずに今まで来てしまった。
 友達が出来ないどころか声をかけることすら難しい私だが、1人で遊んでいるところは誰にも見られたくないという変なプライドもあり、みんなが町に出かけて駅前や商店街で遊んでいる間、私は私だけの秘密基地で遊んでいた。

(今日は午前中で学校が終わりだから、家に帰ったら準備してすぐあそこに行こう…)

 そんなことを窓の外を眺めながらぼんやり考えていると、

「篠原麻弓!」

 突然大きな声が鼓膜を揺らした。

 ビックリして前を見ると、教壇から楠田先生がこっちを見ていた。同級生みんなも私のことを見ていた。

「はっはっ、はいっ!」

 思わず私は立ち上がり、普段絶対出さないような大声で返事をした。

「なーんだ、元気な挨拶出来るじゃ無いか。さては夏休み前だからって浮かれてるなー?」

 ニヤニヤしながら楠田先生は出席簿にチェックをつけている。教室中が笑いに包まれる。
 恥ずかしくなって、縮こまりながら席に着いた。ああ、早く帰りたい。

 体育館で校長先生の長話を聞いたり、夏休みの宿題が大量に出たり、親に読んで貰うプリントを何枚か貰ったりと、どこの学校でも恒例のイベントをこなして無事午前中で学校は終わった。これから40日あまりの間は気楽に過ごせるのは本当にありがたい。
 みんな早速どこかへご飯を食べに行ったり、遊びに行く約束をしているようだが、当たり前だけど誰も私に声をかけてこない。
 いつもはちょっと寂しい気分になるけれど、今日は違う。私の気持ちは既に秘密基地にいて、後は体をそこへ届けるために早く家に帰らなければと帰り道を小走りで駆けた。

 家に帰ると、テーブルの上に母が今朝仕事に行く前に作ったチャーハンがあった。朝から晩まで働いているので、学校がない日や午前中だけの日はいつもそうだ。ランドセルを置いて手を洗って、はやる気持ちを抑えつつチャーハンをレンジで温めて食べる。焦って作ったのだろうか?ちょっとしょっぱい。
 いつもの1.5倍速で食べ終えるとすぐに皿を洗い、自分の部屋に行って遊び道具が詰まったナップサックを背負う。続いて財布やらスマホやらの貴重品周りを諸々ウエストポーチにいれ、戸締まりを確認して意気揚々と家を出た。


 家の裏に、高さ200mくらいの小さい山があり、その頂上付近に私の秘密基地はある。
山を登り始めて1時間くらいで、目的地に辿り着いた。そこは狭い山道を抜け、開けた場所に作られた小さな公園で、大体いつも人気はなく、小鳥のさえずりや蝉の鳴き声、まれにタヌキや野良犬なんかが遊びに来るだけののどかで落ち着ける場所だ。山の頂上付近にあるので町を一望出来るのも最高に良い。長い間手入れされてなさそうな遊具は、錆び付いていてどれもいつ壊れてもおかしくはなかったが、それはそれでスリルがあってまた良い。この誰にも邪魔されず気ままに遊べる楽園こそが、私だけの秘密基地だ。
 ここで私は1人でいろんな事をして遊ぶ。ベンチに座って自然の音をBGMに本を読んだり、限界の高さまでブランコを漕いだり、縄跳びを持ってきて2重飛びの練習をしたり、ゴミ箱をゴールに見立ててゴムボールを離れた所から投げ入れたりと、飽きもせず1人で色んな遊びをひたすらやっていた。ここで密かに特訓して、最近逆上がりも出来るようになった。

 今日は学校にいた時から、実はしたいことがあった。それは野球だ。今朝田辺達がやっていて、正直ちょっといいなと思っていた。さすがにバットは持っていないので、100円ショップで買った柔らかい野球ボールを物置小屋の壁に投げ当て、跳ね返ってきたボールを拾うという1人キャッチボールをする。
 当たり前だけど跳ね返る力は投げるよりずっと弱い。私はボテボテと転がるボールに駆け寄って拾い、一旦離れてまた投げるという行為を繰り返す。5分くらい投げていると、なんだかとても虚しくなってきた。内野でゴロをさばく守備練習をしているみたいだ。なんで私には満足にキャッチボールをするような友達すらいないのか。
 全ては自分の性格がまねいた孤独だって事は分かっている。でもあまりにも、私はみんなの輪から外れている。今日の帰りだってそうだ。

(1人くらい、声かけてくれたって、いいじゃん!)

 悶々と友達が出来ない事を悩みながらボールを投げている内、引っ込み思案な自分への怒りと、よそ者を受け入れようとしない周りへの怒りが爆発し、力を込めて思い切りボールを壁に投げつけた。すると壁にぶつかったボールはパチーンと軽快な音を立てて跳ね返り、あさっての方向へ転々と転がっていく。
 思わずついカッとなってしまった。恥ずかしくなって頬が赤くなる。小走りでボールが転がった方に駆け寄ると、目線の先にブランコをゆっくり漕いでいる女の子の背中が見えた。
 私はその子に見覚えがあった。ここで会うのは…確か3回目。ここで1人で遊んでいると、たまに彼女も1人で遊びに来ているのだ。いつも気がついたらいて、いつのまにかいなくなっている。不思議な子だった。
 小柄で華奢で、白のブラウスと真っ赤なプリーツスカートを身にまとい、オシャレな革靴を履いた足をプラプラさせて、ブランコを漕ぐたび艶々の黒髪がなびいている。
私は勇気を出して、声をかけてみることにした。3回もここに来ているのだから、さすがに私のことも知っているだろう。1人で遊んでいると言うことは案外趣味が合うかも知れない。なにより私はもう友達が欲しくて仕方が無かった。
 近づきながら2回ほど深呼吸し、ゆっくりと声をかける。

「あの…あなたも、1人なの?」

 少女はブランコから降りると、ゆっくりとこちらを振り向いた。
 向かい合ってみると、背は自分の鼻くらいの高さで、手足は不健康そうな具合にほっそりしている。色素が薄い肌は向こうが見えそうなくらい透明感があった。前髪が鼻の頭くらいまで無造作に垂れ下がり、髪の間から大きな瞳がくりくりとこちらを覗いている。小さな口は真一文字に結ばれていて、まさに絵に描いたような無表情。高級な人形みたいで感情が一切読み取れない。でもかなり可愛い子っぽい。
 女の子は1回だけ、首を小さく縦に振る。

「どこから来たの?名前は?」

 私はひと言目さえ出れば問題無く次の言葉が出る。
 女の子は無言で山の向こうを指差し、

「…………サキ」

 と、か細く呟いた。

「それがあなたの名前?」

 私が顔をのぞき込みながら訪ねると女の子…サキは小さく頷く。
 それにしても山の向こうという事は隣町からわざわざこんな寂れた公園まで遊びに来たという事か?一体何故?何の為?

「良かったら…一緒に…遊ばない?」

 山の向こうを指差した事ばかり気になっていたら、サキの方から話しかけて来た。

「うん、良いよ!」

 この子とは何だか仲良くなれそうな気がした。

 2人でキャッチボールしたり、おいかけっこしたり、地面に絵を描いたりして、久しぶりに楽しい時間を過ごした。ここまで気が合う友達に出会ったのは初めてだった。テンションが上がってスマホで一緒に写真を撮って、またいつでも会えるよう連絡先を交換した。まぁ、サキは携帯類を持っていなかったので家の電話番号だけだったんだけど。
 楽しい時間というのはあっという間に過ぎる。夕日で綺麗なオレンジ色に染まった町並みを2人で眺めつつ、完全に日が沈む前に帰らなくてはと思った私は

「サキちゃん、私そろそろ帰るね」

 と広げたモノを片付け始める。

「……あの…ちょっと……来て…」

 そう言ってサキは私の右手首を掴んだ。
 彼女のその細い腕からは想像もつかない強い力で、私はどんどん山奥の方へ連れ込まれていく。
「サキちゃん、一体どこへ行くの?あんまり遅くなるとお母さんが心配しちゃう…」
 引っ張られながら、サキに訪ねる。しかし彼女は前だけを見たまま歩みを止めない。


 どれくらい歩いたのだろう。まだ夜にはなっていないようだが体感としては半日くらい歩いた感覚だ。足腰が悲鳴をあげている。このまま家に帰れないんじゃ無いか…言いようのない不安が胸の奥からこみ上げてきた。

「もういい加減にしてよ!手、離して!」

 私は初めて出来た友達に怒り、握られた手を振りほどこうとする。しかし手錠でもかけられたようにがっちりと握られた右手は、どれだけ力を込めても振り解けない。

「もうすぐ…もうすぐ…。」

 サキはそう言いながら、相変わらず前だけを見つめる。かすかに見える口元が微笑んでいるように見えた。
 途方もない時間山道を歩き、最後に鬱蒼とした雑木林が続く獣道を抜けると、小高い丘の上に出た。手を引かれるまま丘の端まで連れていかれ、サキが丘の下を指さす。見るとそこには色とりどりの花畑が広がっていた。あまりに綺麗な光景に見とれ、思わず息を飲む。
 サキが不意に手を離し、強く握られていた手首が急に自由になる。そのままの流れで彼女は、端を囲っている柵を越え花畑の中に飛び込んだ。私はサキの突然の行動に目を見開く。
 花畑に包まれたサキは、嬉しそうにこちらに手を振り、

「さあ…あなたも、こっちへいらっしゃい…」

 そう優しく呼びかけてくる。私はさすがに躊躇した。サキは軽く飛び降りていたが、花畑までの高さは軽く3mはある。駄目だ。とても勇気が出ない…首を横に振る。

「大丈夫…あなたなら…飛べる…」

「一緒に行きましょう…」

「私ね…あなたのこと…大好きなの…」

 サキはさっきからしつこいくらい飛ぶように勧めてくる。場所も時間も分からない焦りと恐怖で判断が鈍ってきたのか、延々と声をかけられ続けると、3mの高さくらいなんだか大丈夫な気がしてきた。
 意を決し、花畑に飛び込もうと柵に脚をかけたその時、

「あんた、何してる!やめなさい!」

 不意に後ろから大声がかかる。びっくりして後ろを振り返ると、青いジャケットとカーキ色のカーゴパンツを着たラグビー選手みたいに体格の良い登山家風の中年男性がいた。
 男性は私に駆け寄ると、いきなり右の頬をビンタしてきた。突然のことで訳が分からない私は、ただ呆然と男性の顔を眺めた。男性は険しい表情で訴えかける。

「何があったか知らないがな、まだ若いのに馬鹿なことをするのはやめろ!」

 一体何のことだ?全く頭がついていかない。私は今何をしようとしたんだ?

「一体どこから来たんだ?そんな格好で…とにかく、命は大切にしろ!なにがあってもするなよ、自殺なんか!!」

 激しい剣幕で説教する男性の話をだらだら聞いていると、少しずつ頭が冷静になってきた。そして、最後の一言が引っかかり、私は反論した。

「自殺…って何言ってるんですか?私はただ友達と遊んでいただけです。さっきも、花畑が綺麗だったから、ちょっと飛び込んでみようかと思っただけで…」

「………君の方こそ何言ってんだ?」

 男性は怪訝そうに眉を寄せた。

「今やろうとしてたことが自殺じゃなけりゃ、なんだっていうんだ!?」

 どうも話が噛み合わない。『友達と遊んでいた』という証明としてサキを呼ぼうと後ろを振り返る。あまりの驚きで、産まれて初めて腰が抜けた。


 そこは小高い丘ではなく、落ちたらほぼ100%即死が期待できそうな断崖絶壁だった。さっきまで広がっていた花畑はどこへ行ったのか?代わりに崖のはるか下には針葉樹林が広がっている。私がもし、あのまま飛び込んでいたら…そう思うと背筋に悪寒が走り、鳥肌が立つ。全身から嫌な汗をかき、鼓動が早くなる。混乱や恐怖といった嫌な気持ちが高まっていき、それらが限界を迎えたところで頭の中で何かが弾け、私はそのまま意識を失った。

 

                                        To Be Continued...

初めての猫カフェ。

先日、以前から気になっていた猫カフェなるものに行ってきました。

実は野良猫を見かけたらしばらくストーキングするレベルには猫が好きです。

なので今回は珍しく画像中心の記事となります。

たまにはこんな癒し記事、あってもいいかなーって。

 

お邪魔したのは秋葉原にあります『cat cafe nyanny』

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15種類以上の猫たちと共に暮らしているような感覚で、1000円で1時間の間思う存分モフれます。(抱きかかえるのはNG)

真昼間に行ったのでほぼ全員寝てましたが、寝顔を撮影したり、かろうじて起きている子をたっぷり愛でてきたので、ここからは画像メインで紹介します。

 

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出入り口では謎のオブジェと賽銭箱が来訪者を迎え入れる。

 

店に入る前に入念に手を洗い、受付を済ませて、奥の部屋に案内されました。

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猫が主役の漫画や、お店の猫達の紹介が載っているファイルが置いてあり、

見て、触って、読んでと様々な方向から猫達と交流できます。

 

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最初に見つけた子。目の上の骨がちょっと盛り上がってる。ラミレス顔。

 

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天井付近にもいました。見つめる先には、どんな世界が広がっているのか..

.

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浴衣を着た子猫がソファで眠っていました。

こちらの接近に気がつくと...

 

 

 

 

 

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 ハッ!?(ガバッ)

 

 

 

 

 

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「ニャンだ、人か…」(zzz....)

二度寝

 

 

 

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箱の中にはエレガントな毛並みのお嬢様。

これが本当の箱入り娘。

 

これらの猫様と30分戯れた後、上の階にも猫まみれの部屋があるという事が判明。

駆け足で階段を上り、まだ見ぬ猫達に心が踊ります。

 

階段を上がりきって左手に和室、右手に洋室といった構成。

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洋室の方は『この画像には何匹の猫が隠れているでしょうか?』って問題が出来そう。

暇な人は探してください。正解は反転→多分5匹

 

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洋室に入った瞬間、高い所にいた子に見つめられました。

彼は警備担当なんでしょうかね。

 

現場に一瞬緊張が走りましたが、5分後にはホラ

 

 

 

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この通り。(zzz...)

 

日差しがぬくぬくのお昼過ぎですからね。人間でも眠いのだから

猫様が耐えられるはずもなかろうて。

 

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今回のモフモフ度No.1のロン毛くん。

冬に抱いて寝るとめっちゃ気持ち良さそう。

 

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う、美しい...イケメン...

抱いて!

 

 

 

 

 

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抱いて!!

 

 

 

 

 

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でもそんなイケメンロン毛様も暖かい陽光にウトウト...

 

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この顔、寝起きの俺と似てる。

 

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ほんで起きたらめっちゃ見てくる。正直怖い。

 

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浴衣くんその2。

 

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部屋の隅にボスっぽい奴が鎮座しておりました。

この表情、めっちゃ悪くて強そう。

 

絶対カフェの乗っ取りを企んでる顔だよコレ。

 

洋室をあらかた撮影し、続いては和室。

和室には猫が1匹しかいませんでした。

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浴衣その3。ちょっとに似ている気がする。赤いユニフォームだし。(早く復帰してくれ)

 

和室は本当に実家に帰ったような感覚で、思わず畳にごろ寝してしまいました。

おばあちゃん家でも4匹猫を飼っていたので、なんだかノスタルジックな気分。

 

この他にも和室には

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某アニメのキャラクター型のティッシュ箱や

 

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招き猫なんかが置かれていました。

 

そんなこんなで、1時間あっという間に過ぎて大満足でお店を出ようとした所...

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最後に出入り口付近の棚の上にも発見。

受付担当の看板娘と行った所でしょうか。

入った時全く気がつきませんでしたけどね。

ちゃんと働け。

 

いや〜とても良い癒しになりました。

野良猫とフリータイムで遊ぶのも良いですけど、彼らは気まぐれの極意なので

ほとんどの場合半径5mに近づくとダッシュで逃げられます。

その点人に慣れている猫様は思う存分撫でれるし、愛でれるし、モフれるし

最高ですね。

 

平日の真昼間に行ったからかほぼ貸切状態だったのも自由に寛げて良かったです。

猫が好きで癒されたい人は、是非行って見てください。

 

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<お店の情報>

店名:Cat cafe nyanny(ニャニー) 秋葉原

場所:東京都千代田区外神田4-8-3 セゾン秋葉原4F5F

アクセス:秋葉原駅(電気街口) 徒歩6分 or 末広町駅(1番出口) 徒歩1分

電話番号:080-4237-5310

E-mail:catcafe.akiba@gmail.com

営業時間:11:00〜21:00(最終受付20:30)

料金:1時間1000円(土日祝1200円)、フリータイム2990円(土日祝3990円)

※飲食代別途(任意)

↓ 公式サイト ↓

xn--hckh0k434z.tokyo.jp

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池袋で後輩達と <後編>

今回の記事は前・中・後編の3部作でお届けしております。

先に前編から読むことをオススメします。

 

こちらが前編となっております。

500yenojisan.hatenablog.com

 


<後編>
小雨が降る中やってきました、池袋某所のチェーン焼き肉店!
100分食べ放題飲み放題コースで胃を爆発させる準備は万端。
しかも3人とも今日はろくに飯を食っていないらしく、メチャメチャ腹は空いています。
おーらてめーら、じゃんじゃん頼めぇーい!!





七輪が小さくて全然肉が減らない。





あ、ここはそう言う感じで制限かけてくるのね……。

もっとガバーッと焼いてグヮシッっと肉に食らいついてハフハフと白飯をかっ込んでビールでグビグビグビーーーッと胃に流し込んで「麦茶だこれ!」ってネタをしてゴーカイに肉欲を満たすつもりだったんですがね。

肉切れが6枚乗っただけであっという間に満席になっちゃうような器の小ささだもん。


チマチマ焼いて食べて焼いて食べての繰り返し。派手に行くぜとはほど遠い。

キャプテンマーベラスも呆れて宇宙に帰るレベル。

しかもね、いちいち待つからその間に満腹中枢が刺激されてくる訳よ。特に肉ってもたれやすいじゃない?ホントはもっと食べたいのに、体がそれを拒否するの。そんなに食べてないのに、お会計の時は満腹でした。

カロリー的には優しかったのかもしれませんが、コスパを考えるとイマイチでした。
胃を爆発させる覚悟で入店したのに、爆発したのは淡い期待の方でしたね。


そうそう、焼肉中アメリ衝撃の話題をぶち込んでくれました。

たばこを切らした彼は「ちょっと買ってきます」と一時退店。
しかしその後20分以上待っても戻ってきません。
ヤンキーにでも絡まれちゃったかな?と心配になってきた僕らの元へ1件の着信。

アメリカ「僕の鞄の中に8000円ない?」

ロック(ゴソゴソ……)「んーーー、ない」

どうやらどこかでお金を落としてしまった模様。その後10分以上経ってから血相変えてアメリが戻ってきました。
たばこを買おうとコンビニで財布を開けた瞬間、無くなっていたことに気がついたそうで、
「思い返すとラウワンでポップンをしたとき、荷物カゴから財布がはみ出ていた。もしやその時にスラれたのではないか」と彼は考察しました
じゃあ焼肉終わったら1度ラウワンに戻るかということに。

平常運転なのか、ヤケなのか分かりませんが(多分後者)、時間いっぱいまでアルコール類を頼みまくるアメリ
アメリカ君、ちょっと聞きたいんだけどさ、梅酒ロックを5杯休み無く呑む君は、本当に今年成人式を迎えたばかりなのかな?
おじさんは最近ようやく最初の一杯目の生ビールを吐かずにギリ完飲出来るようになったんだよ。
1回さ、君の肝臓と僕の肝臓、とりかえっこプリーズしない?

焼肉屋退店後、ラウワンの音ゲーコーナーに舞い戻り、早速店員さんをサモンします。
事情を説明し、荷物カゴを確認しましたが現金は入っていません。
プレイしていた時間帯を確認され、何か変わったことがあれば後日アメリの元へ連絡が入る事になり現場検証は終了。

憔悴しきった表情のアメリを慰める僕とロック





アメリカ「いやー最近自分、金周りの運ないっすわー前は歌舞伎町で10万円ぼったくられたし」



 


(; ・`д・´) ナ、ナンダッテー !? (`・д´・ (`・д´・ ;)

 



この辺のエピソードを詳しく書くと歌舞伎町の闇に触れそうなので当ブログでは自粛させていただきますが、アメリカ君。もう一回聞くけど、君は本当に今年成人式を迎えたばかりなんだよね?

その後は喫茶店で終電までまったり駄弁って会合は終了。
いろいろと想定外のハプニングはありましたが、その分刺激的で楽しい親睦会だったのではないでしょうか。
今回は初プライベートということで、なんだかよそよそしさの抜けない感はありましたが、今後何回か遊びに行く内に、少しずつ打ち解けていけるといいなぁ~なんて思います。

次回会うときが楽しみですね。