【DB考察】舞空術、そのルーツ
ドラゴンボール考察・第2弾です。前回はネタに振り切った考察でしたが、今回は割と真面目な考察となっております。
↓前回の考察はこちら↓
今回のテーマは『舞空術』
身体ひとつで自由自在に空を飛び回るという、誰もが憧れたあの技についてです。
作中のメインキャラのほとんどが戦闘でも移動でも空を飛ぶ事が当たり前になっていますが、あの世界の地球の一般人にとっては目玉が飛び出して「トリックだ!」と言わしめるくらい非現実な出来事なんですよね。
そんな舞空術のルーツについて考察したいと思います。
まず作中における舞空術の登場シーンや技としての性能をおさらいし、次にそのルーツに触れていくような流れです。
グミでもかじりながら、ごゆっくりお楽しみください。
戦闘時に空を飛ぶという発想が作中で初登場したのはコミックス10巻、第22回天下一武道会編。
当時まだ鶴仙流として敵対していた天津飯と餃子が、宙に浮きながら試合を観戦しているのを見たクリリンと悟空が「あいつらに場外負けはないぜ」と驚いていました。
亀仙人との修行の末残像が見えるほど俊敏に動き、拳で大岩を砕き、とんでもない高さまでジャンプ出来る力を身につけた彼らでも「空を飛ぶ」というのは発想の外でした。
その後2人が舞空術を披露したのは3年後の第23回天下一武道会から。
悟空に至っては決勝戦の決め手にもなりました。
空を飛ぶ事自体が奥の手になるほど、当時は珍しい技だったのです。
更にストーリーが進んで戦う相手が地球人から宇宙人にシフトしていくと、みんな当たり前のように空を飛んでいきます。
あの世界の異星人にとって空を飛ぶことは2足歩行と同じくらい出来て当然の事のようです。
ナメック星編・コミックス22巻で、悟飯とクリリンがフリーザ軍に襲われるナメック星人たちを助けたシーンで、クリリンがデンデに「お前、空飛べるか?」と聞いています。
よく見るととんでもないことをさらっと聞いていますね。幸いナメック星人は空を飛べることがスタンダードだったので会話として成立しましたが、地球で同じ事を異星人が聞いても「飛べるわけねーだろ何言ってんだこいつ頭イカれてんのか?」と思われてしまうのが関の山。
読者もZ戦士達も世界観のインフレに感覚が麻痺していることがよく分かるセリフです。
しかし、宇宙人達も初めから空を飛べるようではなさそうです。
なぜかというと、サイヤ人である悟空が最初空を飛べなかったから。
宇宙人達が使う舞空術は言語や歩行のように、日常生活を送る内に自然と学習していったものだと思われます。
逆に言えば周りに空を飛ぶ者がいなければ初期の悟空のように習得することはできない。
少し時は飛んでコミックス36巻で悟飯が天下一武道会に向けて修行する際に、悟天がスーパーサイヤ人になれるのに空が飛べない事を「順序がでたらめ」と言ったり、ビーデルさんに舞空術を教える時も「そんなにむずかしいことではない」と発言しています。
このことから、気を扱う修行において舞空術は初歩の初歩であることがうかがえます。
ここからは本題『鶴仙流における舞空術のルーツはどこか』という考察に入ります。
この便利すぎる術を編み出したのは鶴仙人ですが、前述のように悟空やクリリンにとっては『目撃するまで思いつかなかった』技です。なので鶴仙人も0からではなく、何者かの舞空術を目撃して習得した可能性が高いです。
では誰の舞空術を目撃したのかというと、そんな相手は1人しかいません。
『ピッコロ大魔王』です。
ピッコロ大魔王は元々ナメック星人ですので、幼い頃から空が飛べてもおかしくありません。幼い頃宇宙船に乗せられて故郷を旅立ったことを覚えているくらいですから、地球に辿り着いた時から初登場時のデンデと同じかそれ以上の年齢だったと考えられます。
『舞空術』という名称は、ピッコロが神になるための修行を積んでいた当時の神様が、ピッコロが空を飛んでいる所を目撃した時に名付けたんじゃないでしょうか。
鶴仙人は若い頃、武泰斗様や亀仙人と共にピッコロ大魔王と対決した過去を持ちます。
ピッコロ大魔王も復活して天津飯と対峙した時に「ほう舞空術がつかえるのか、少しはウデにおぼえがありそうだな」と発言しています。
『舞空術』という名前を知っているのは、自身も同じ技を使っているからに他ならない。
これは妄想ですが、昔鶴仙人と対決した時にこのような会話があったのかもしれません。
鶴「きさまっ汚いぞ!空なんぞ飛びやがって!!」
ピ「フッフッフッ。これは舞空術という立派な技でな、インチキでもトリックでもない。悔しければお前も飛べるようになれば良い」
鶴「…それは一理あるな。ちょっと修行してみるか」
そして長年の修行の末に舞空術を習得した鶴仙人は、天津飯、餃子にその技術を伝承し、さらにZ戦士達に広まっていきます。
つまり、Z戦士達が宇宙規模の戦闘について行けるようになったのは、鶴仙人がピッコロ大魔王のマネをしたからなんです。
この考察をして更に面白いことに気がつきました。
もし鶴仙流・舞空術のルーツがピッコロ大魔王にあったとしたら、亀仙人は自分の師匠である武泰斗様の魔封波を習得したのに対し、鶴仙人は倒すべき相手である悪のピッコロ大魔王の舞空術を習得したことになり、その後2つの流派が仲違いしてしまったのも、ある意味必然だったのかもしれません。
「場外負けはない」と思わせといてわずか2話後に場外負けする鶴仙流の恥さらし。