ポルノグラフィティへの想いを本気出して書いてみる PART2
前回に続き、ポルノへの“遙かなる想いを吠えて”いきます。
個人の意見や多大な妄想が含まれていますので、あらかじめご了承ください。
≪神vs神というタイトルの何が凄いのか≫
『神』とは最上位である。
ドラゴンボールだと神の上に界王様、大界王様、界王神など更に偉い人たちが山ほど存在するが、現実世界で『神』以上の高位は存在しない。
つまりは天井、山の頂なのだ。
公式では『「神vs神」のタイトル通り、その日その日が「神セトリ」と言ってもらえるような渾身のLIVEをお届けします!!』と高らかに宣言されている。
「神セトリ」「神曲」「神ってる」
ファンなら1度は耳にしたり、口にしたことはあるこの言葉。
これを公式が自ら宣言するのはなかなか出来ることではない。
なぜならアーティストとは自分の中に眠っているはずの可能性を信じて、常に成長を続けて新しい姿を求めたがる生き物だからである。
かつて昭仁が作詞した曲『ダイアリー08/06/09』では
“まだ僕の中に眠っている僕がいる
そう信じているよ照れるけど本当だ”
と歌っているし、晴一も『TVスター』で
“満たされてはいけない
満たされるために僕は歌うのに”
と、アーティストが抱える哀しき矛盾を的確に表現した歌詞を書いている。
ポルノグラフィティというバンドは、成功に縛られず常に変化と成長を続けてきた。
それは楽曲そのものはもちろんのこと、ライブの構成やサポートメンバーでもそうだ。
例えばライブの演出やセトリの組み方、サポメンの演奏の相性、楽曲の方向性など20年ものキャリアの中では「これはとても良い」と感じた場面も多々あったと思う。
でもそれに固執することなく、あえて崩してみて新しい自分たちを模索し続けた。
その結果、今までのポルノが好きだった人が離れてしまったり、新しい方向性で興味を持って入ってきてくれた人がいたり、1度離れたけどまた戻ってきてくれた人がいたり、何があろうと食らいつき続けてきた人がいたりと、良くも悪くも流動的なファン構成になっている。
思えばその活動方針は、デビュー初期からあったように感じる。
ポルノは新曲を出す度に雰囲気をガラリと変え、新しい衝撃を僕らに与え続けてきた。
キャリアが長くなるとタイアップのオファーがあった時にクライアントから過去の人気曲の雰囲気を求められてそれに答えることもあった(オー!リバルとかね)が、それでも過去と同じ事は極力せず、その時自分たちが出来る最高のパフォーマンスを曲に込めていた。
『最新が最高傑作』というのは長年リアルタイムで新譜を追い続けていた人はよくわかる感覚ではないだろうか。
比較的最近のシングルであるキング&クイーンでは
“限りある人生たとえ満たされても
留まることを選ぶより
また次の一歩を刻む
いつでも挑戦者でいよう”
と歌っていて、まさにポルノの活動方針を象徴した歌詞といえる。
しかし『満たされないようにする』ということは逆に言えば永遠に頂点には辿り着けない、つまり『神』になることは出来ないということだ。
もしかしたら、今でもポルノグラフィティは自分たちのことを神だとは思っていないかもしれない。もちろん新曲を出すときは絶対の自信をもってファンに届けるんだろうけど。
そんな彼らが自ら『神』と名付けるLIVE。相当な覚悟がなければつけられるタイトルではないと思う。その覚悟を与えたのは、他でもない我々ファンだ。
ポルノグラフィティの特徴である『多様性』は言い換えれば『迷走』である。
ポルノは変化しすぎるあまり、ときおりコアなファンですら狼狽えたり一般人気を完全に無視したようなマニアックな曲調をリリースすることがある。
しかしどんなときでもどんな曲でも好きだという人がいて、熱心に聴きこんでグッズを買ってライブに足を運んで応援し続けたからこそ、ポルノグラフィティは音楽業界の厳しい波にさらわれることなく現在まで活動できた。
“迷いがちな僕のことを
受け止めてくれてサンキュー”
昭仁はダイアリー08/06/09でこのように歌った。
ファンがポルノの全てを受け止めている証として、13th LIVECIRCUIT“LOVE・E-mail・from・1999”では開催前にとった全曲アンケートに、バラツキはあれど全ての楽曲に票が入っていた。
そして、横浜ロマンスポルノ'14~惑ワ不ノ森~では
次郎が森を駆け抜けた先にファンがいるという演出の後「惑ワ不ノ森を抜けた先にあったのは…そう君なんです!君なんだ!君なんだーっ!!」という昭仁の叫びがこだまし、ポルノが惑いながらもやってこれたのはファンのおかげだと言ってくれた。
16th LIVECIRCUIT“UNFADED”のMCで昭仁は
「20年続けてこれたのは皆さんがポルノグラフィティを求めてくれるからここまで続いたと思う。ポルノの新曲が聴きたい、LIVEが観たいという声がどんどんワシらに届くから、ここまでやってくることができました。皆さんの声に負けないように色あせないポルノグラフィティでいたいと思います!」とコメントがあった。
ファンの中にはポルノに対するそれぞれの形の『神』があると思う。
個人的には0から1を創造する時点で既に神なのだが、そんな風にファンがいつも感じている尊敬の念に、ポルノは自ら胸を張って『20周年に両日神セトリと呼ばれるようなLIVEを東京ドームでやる』と宣言してくれた。
つまり『神vs神』というタイトルには、満たされることを望まない人たちを神と崇める人に向けた2夜限りの最大級の恩返しの意味が込められていると感じた。
昭仁はライブの最後にいつも「あんたらは最高じゃ!」「胸張っていけー!」「自信持って行けー!」とファンを鼓舞してくれる。それはあるいは、彼ら自身にも向けた励ましの言葉だったのかもしれない。
新しい姿を追求し続けたポルノが、20周年という節目でみせる1つの頂点。
文字通り神話として後世に語り継がれるような素晴らしいライブになるだろう。
余談だが、UNFADED大阪公演のアンケートで『20周年記念ライブは5年区切りでセトリを組んだ4Daysでお願いします』と書いた。あまりにも無茶すぎる要望だが、2Daysで両日別セトリということで半分夢が叶ったようなもんなのでとても嬉しい。
何曲変えるかはわからないが、わざわざ通し券を作るくらいだから最低でも半分は変えて欲しいところだ。まさかの全曲変わろうものならもう神も界王様も大界王様も界王神も通り越してもはやポルノ=全ちゃんと呼ばせていただきます。
次回は、自分がどんな経緯でポルノグラフィティを好きなったのかを書いていこうと思います。